良い施設と悪い施設の見分け方【良質な福祉サービスを受けるためには】

福祉サービス

介護福祉士が考える良い施設と悪い施設

介護認定を受け、これから施設利用に向け施設選びをしている方やそのご家族も多いと思います。

 

また、特別支援学校等を卒業し福祉作業場等の授産施設に通所する予定の方もいるでしょう。

 

今回は、介護福祉士でもあり、長年福祉現場で働いてきた私が考える「良い福祉施設の見分け方」についてお伝えしたいと思います。

 

コンプライアンス体制がポイント!

良い施設と悪い施設の見分け方とは何か。どこがポイントとなるのか。

 

これは「コンプライアンス体制がしっかりしているかしていないか」が大きなポイントとなります。

 

コンプライアンスとは何か。企業が法令や倫理等を守っているか、また社会的要請に応えようとしているかということです。

 

例えば法律だけ守っていても、福祉施設の存在意義や社会的要請に応えようとしていなければコンプライアンス体制が十分とは言えません。

 

現在全ての企業にコンプライアンスが求められており、それを実践しているかどうかは良い施設を見極めるといった点でも非常に重要となっています。

 

施設の閉鎖性

次に良い施設と悪い施設を見極める細かなポイントについてお伝えしていきます。

福祉施設というものは、旧来から閉鎖性があり、そこが種々の問題を生み出しています。施設が他の施設の情報を知ろうとしない、社会の動向に鈍いなんていうところだと、サービスの質の物差しは自分の施設のみとなってしまいます。そうすると「自分の施設が正しい」と思うようになり、間違っているといわれるサービスを提供し続けることとなります。

 

施設にはそれぞれ特色がありますが、良いものも悪いものもあります。昔からやっていた手法を上司から部下へ引き継ぎ、新しく入ってきた若手も最初は疑問に思っていてもだんだん施設のカラーに染まってしまいます。

 

その点で、外部に開放されている施設は新しい情報を知ろうとします。外部研修などにも積極的に参加し、職員みんなで共有しようとします。

 

その点を見極めるのは大変難しいことですが、法人や施設のホームページなどをよく読んでみましょう。法人の理念や実施した研修などがしっかりと公開されているかはポイントの一つとなります。また、施設内に理念などが掲示してあるところも良いですね。

 

しっかりとした説明をしてくれる

これは病院に限らず福祉施設でも同様です。

 

相手が納得するような説明を心掛けている施設はレベルもそれ相応に高いと思われます。説明が少ない、ごまかそうとするなどといった施設には注意しましょう。

 

要望を聞こうとする姿勢がある

施設サービスを利用するようになると、施設では全てが自分の思い通りになるとは限りません。

 

しかし、自分の要望はしっかりと伝えましょう。

 

その要望に対し、全てを受け入れることは施設としても難しいかもしれません。しかし面倒くさがったり、一律全て「できません」などと突っぱねてくる施設は要注意です。

 

そういった施設では利用者を同じように管理したがっています。「平等」と言えば聞こえが良いのですが、福祉サービスで必要な「個人を尊重」していないともとれます。

 

介護保険施設などで必須の「ケアプラン」は利用者個人個人でそれぞれ内容が違うものです。ケアプランを施設の都合の良いように作成しようとしてくる施設は良い施設とは言えません。

 

職員の指導方法を見る

利用者とその家族の前で職員が部下をどなりつけているなんて施設は論外です。厳しい指導が必要だとしても、利用者や家族がいないところでやるのが当然でしょう。

 

日々利用していくなかで、そんな殺伐としたシーンを見るのは非常にストレスになります。そういった面を配慮して、職員同士でも仲良くやっているという点を利用者や外部に見せることを意識している施設はレベルが高いです。

 

優しく丁寧に職員を指導している風景を見ることができれば良い点に挙げて良いと思います。

 

職員が走っている・バタバタした雰囲気

福祉施設は種別にもよりますが、職員が忙しいことが多いです。特に高齢者介護施設では職員が走り回ることがあります。

 

しかしそれをしょっちょう見る場合は要注意です。

 

そもそも施設内を走ってはいけない。事故の危険があるからです。利用者にぶつかりでもしたら大怪我になります。

 

それを承知で走るのだから、それなりの理由があるはずと考えましょう。

 

意識が低い

先ほど挙げた事故のリスクを意識できていないことはもちろんですが、利用者や家族に与えるイメージも良くないということを意識できていないということが考えられます。

 

施設内にバタバタした雰囲気を作るということは利用者にとってはストレスでしかありません。

 

せめて利用者の前ではのんびりとした雰囲気を作り出したいと考えている施設は非常にレベルが高いと思います。

 

人手が足りていない

これは非常にまずい問題です。

 

現在、福祉施設の職員数はほとんどのところで足りていません。

 

しかし頻繁に走り回らなければならないぐらい人手が足りていないとなると定められた職員配置基準どおりに職員がいるのか疑われてしまいます。

配置基準を満たしていない施設では事故のリスクが増し、サービスの低下にも繋がります。職員数にゆとりがあるのかどうかは重要なポイントとなります。

 

利用者への態度

障害者施設において〇〇ちゃん、などと利用者を呼ぶことが良いか悪いかは置いておくとしても、コンプライアンス的にはアウトです。

 

ケースにより、家族が希望しているなどの理由がある場合もありますが、職員の意識が低い場合が多いです。また、利用者に対して乱暴な言葉遣いや行いをしている施設は論外ですね。

 

福祉施設では、当然身体拘束をすることは禁止されています。緊急の危険があり、一時的なものであってもご家族等の了解を取ることが必要です。

 

そのため、日常的に身体拘束が行われている施設は危険です。

 

職員に身体拘束をしているといった意識が低く、コンプライアンスに沿ったサービスを提供できていないこととなります。

 

日常的に手にはめるミトンや車いすに紐で縛られている利用者を見たら特に注意しましょう。

 

その他のポイント

施設が汚い(古いということではない)

職員に覇気がない・挨拶できない

利用者に落ち着きがない・不穏である

 

等、様々なポイントが挙げられますが、コンプライアンスと職員の雰囲気、ここが大きな点となるでしょう。

 

これから施設選びをされる方に参考にしていただければ幸いです。

 

 

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