アルバイトやパートでも動物取扱責任者の実務経験要件を満たせる場合がある!

動物関連許可

アルバイトやパートでも動物取扱責任者の実務経験要件を満たせる場合について解説します

令和2年6月の動物愛護法の改正により、動物取扱責任者として選任できる者の要件が変更されました。

動物取扱責任者として選任できる者の要件概要

令和2年6月1日施行の改正動物愛護管理法による動物取扱責任者の選任要件は下記のとおりです。

  1. 獣医師
  2. 愛玩動物看護師
  3. 資格(専門性を有する社団法人等の試験に合格している)及び実務経験(第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経験がある)
  4. 卒業(獣医学、動物看護学、畜産学などを学ぶ大学、専門学校などの教育機関を卒業している)及び実務経験(第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経験がある)

改正前は、業務に関する資格、実務経験、卒業のいずれかであれば動物取扱責任者の要件を満たしましたが、今後は資格or卒業と実務経験の2つが必要となります(国家資格以外)。なお、現在すでに動物取扱責任者となっている方も、令和5年6月までにもう一つの要件を満たす必要があります。

※ここでは、いわゆる「6か月以上の実務経験」についてのみ触れさせていただきます。

アルバイトやパートでは6か月以上働いていても実務経験は認められない?

動物取扱責任者の実務経験要件はアルバイトやパートで働いていた期間は認められないと考えるのが通常だと思います。

この考え方では、例えば対象の業種でアルバイトやパートとして10年間働いていたとしても実務経験の要件は満たせないことになります。

しかし、定められた要件を見てみると、「アルバイトやパートでは駄目」とはどこにも書いてありません

定められた要件は「常勤として」ということです。それでは、常勤とはどのようなことでしょう。

常勤・非常勤の区別は「職場での取扱い」

某都道府県の担当課に質問をしてみると、意外な回答が帰ってきました。

A都道府県担当課職員
A都道府県担当課職員

実務経験として認められる業務経験はアルバイトやパートという区別ではなく、アルバイトやパートで勤務していてもその職場が常勤として取り扱っていれば実務経験として認められる場合があります。

また、別の都道府県の担当課に同じ質問をしてみると、

B都道府県担当課職員
B都道府県担当課職員

審査基準というものはあるのですが、あくまでも個別に考えています。例えば、週3日で6か月働いていたとしてもフルタイム相当と認められない場合は1年等のもっと長い期間の経験を求めることもあります。

ということは、フルタイムで勤務していない場合でも実務経験として認められることがあるということです。

では職場ではアルバイトやパートというでも常勤職員として取り扱うことがあるのでしょうか

週3日勤務の職員を常勤職員として取扱っているペットショップも実際にある

私の知り合いのペットショップではどのような取扱いになっているかをその店の管理者の方に確認してみました。

すると、

某ペットショップ管理者
某ペットショップ管理者

うちでは週3日勤務の職員も常勤職員として取り扱っていますよ

との回答が得られました。

もちろん職場によってフルタイム外の職員の取扱いを常勤としていないところもあると思います。しかし、実際に週3日勤務の職員を常勤として取扱っている職場もあるのだということが分かりました。

自分がアルバイトやパートタイムだと思っていても実務経験を満たしている可能性がある

自分がフルタイム職員でないために、実務経験を満たしていないと考える方も多いと思いますが、必ず確認することが必要だと思います。

例えば、過去「1日6時間週2日勤務で5年間勤続していた者」などであれば、動物取扱責任者として認められる可能性は十分あると思います。

確認する窓口は、自治体の保健所政令指定都市の担当課等となります。

勤務についての証明は「在職証明書」等を職場に書いてもらう

自分が動物取扱責任者として選任される実務経験や飼養経験を満たしているかどうかを証明するためには、職場の担当者に自治体指定の書類を書いてもらう方法などを取ります。

自治体により方法が違い、「担当課から職場に確認を取る」というところもあるようです。

在職証明書等を職場に書いてもらう際に困るのは、「過去に働いていたが現在は退職している」という場合です。

当事務所でもメール&郵送の簡単手続きで職場への実務経験の確認や証明書の請求を代行することができます(税別15,000円)。※全国対応

①当事務所へフォームまたはメールで申込

②当事務所からメールでのおおよその経験及び元職場の情報の聞き取りおよび委任状データの送信

③当事務所への聞き取り情報の提供および委任状の郵送

④当事務所から職場へ自治体指定の実務経験証明書記入の依頼

⑤完成した実務経験証明書をご依頼者様へ郵送

動物取扱責任者の実務経験や飼養経験についての審査は個別に行われるため簡単に諦めない

以上のように、動物取扱責任者の実務経験や飼養経験についての審査は自治体の担当課等で個別に行われるため、簡単に諦めないことが重要です。

また、動物取扱責任者の資格要件を満たした者を確保することができたとしても、第一種動物取扱業の登録を行うためには、施設要件などもあります。

当事務所では、第一種動物取扱業の登録申請手続きの代行を行っておりますので、ご自身で行うことが大変な方はぜひご利用ください。

※動物取扱責任者についてのご相談が大変多くなっているため、現在動物取扱責任者の資格要件等のご質問については問い合わせフォームまたはメールのみの対応とさせていただいておりますのでご了承ください。