高齢者は特に新型コロナに警戒を!
新型コロナウイルスの蔓延が世間を不安に陥れています。
しかし新型コロナウイルスは、基本的にはインフルエンザウイルスに類似しているため、対策も同様で大丈夫です。
ただ、インフルエンザウイルスと同様、肺炎による「高齢者の死亡率」は相当なものです。
全体での死亡率は数%ですが、高齢者における死亡率は20%を超えます。高齢者のいる世帯では大変不安だと思います。
施設で生活を送っている高齢者の方はもとより、在宅で生活を送っている高齢者はさらに不安だと思います。在宅で生活を送っている高齢者には「アルコール液不足」や「使い捨てマスク不足」の不安も重なってくるからです。
今回は、そんな高齢者のいるご家庭の新型コロナウイルス対策について介護福祉士でもある私がお話をしたいと思います。
アルコールの無い家庭はアルカリ電解水を活用!
令和2年3月現在、どの店にもアルコール液など置いてありません。
新型コロナウイルスの不活化に有効だと見込まれているのはアルコール。インフルエンザウイルスと同様ですね。
しかしアルコール以外にも新型コロナウイルスを不活化させる溶剤はたくさんあります。ノロウイルスのようにアルコールに耐性を示すウイルスではありませんから。
現在アルコール液は手に入りませんが、「アルカリ電解水」も新型コロナウイルスの不活化に効果を示すと見込まれています。
アルカリ電解水とは、水を電気分解しただけの安全な水です。もともとは掃除用具として販売されていました。そのため、未だ掃除用具として売られていることが多いです。
そのアルカリ電解水を除菌用に応用する。それだけでも充分効果が見込まれます。
高齢者の肌は乾燥していることが多いです。そしてウイルスが定着しやすいのは乾燥した肌や荒れた肌です。
アルカリ電解水はph値が高いため、アルコール液同様、多用すると手荒れの心配があります。
そのため、手指の消毒用としてアルカリ電解水を使用する場合は必ずハンドケアをしてください。
ハンドケアをしっかりすればそれほどの影響は無いはずです。高齢者の肌は乾燥しやすくあれやすいので、その分しっかりとハンドケアをしてあげましょう。
また、アルコールもアルカリ電解水も無いご家庭の場合、高齢者に接する前に十分な手洗いをすることでも対応可能です。
高齢者に直接触れる部分が無菌状態であれば良いので、ケアの前には必ず石鹸等で手指を丁寧に洗っておきましょう。
使い捨てマスクが不足したら再利用する
現在、使い捨てマスクもなかなか手に入らない状況となっています。
国もマスクの供給に急いでいますが、優先的に供給されるのは医療機関や福祉機関です。そのため、一般市民が入手できるのはもう少し先かもしれません。
そのため、使い捨てマスクが不足している家庭も多いはずです。そのような場合は以下のことを考慮しましょう。
優先するのは高齢者よりも家族やケアをする人
一般的に流通している使い捨てマスクは直接新型コロナウイルスの侵入を防ぐものではありません。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは大変小さいため、マスクの網目を平気で通過してしまうのです。
そのため、マスクをしているから感染しないということには決してなりません。
しかし、新型コロナウイルスに感染している人がマスクを装着することには大変大きな意味があります。罹患者から発せられる飛沫は使い捨てマスクの網目を通過できない大きさとなることがあるからです。
そのため、マスクをする必要があるのは「家族やケアする側」の人々。外部に出入りする人はすでに感染している可能性があるため、それを高齢者に感染さないための対応が必要となるのです。
最も優先するのは家族やケアをする側の人です。高齢者には「喉の湿度を保つ」という効力のためにマスクをさせることは構いませんが、感染防止のためのマスク着用はあまり効果がないのです。
それでもマスクが足りないというご家庭では、やむなく「使い捨てマスクの再利用」でも良いでしょう。
しっかりと洗浄し衛生的にマスクを保つことができれば使い捨てマスクを再利用することも可能です。
使い捨てマスクは特殊な薬剤が塗布されているわけではありません。不織布の網目の細かさで侵入物や排出物を抑えているのです。
そのため、素材を傷めなければ効果はさほど変わりません。素材が変化してしまったり、逆に衛生さを失ってしまっては元も子もないですが、それさえクリアできれば再利用することも可能なのです。
以上、高齢者のいる家庭の新型コロナウイルス対策についてお話させていただきました。
高齢者はただでさえ新型コロナウイルスの影響を受けやすいため、感染対策については慎重になる必要があります。さらにどのご家庭でもアルコールや使い捨てマスク不足の問題があるわけですから、大変過酷なものとなると思います。
平均気温が高くなるにつれて新型コロナウイルスの蔓延は収まってくると見込まれています。それまでは様々な工夫をして高齢者の方を支援できるよう頑張っていきましょう!
※アルカリ電解水や使い捨てマスクの再利用はご自身の責任でご利用ください。